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地球。
そこには、1千万種ともいわれる生き物と、 70億近い人々が暮らしている。
私もその一人。
でも私は、この地球に起きている様々な問題をうまく想像できない。
そういう問題に対して、自分が何をすればいいのかも、わからないでいる。
地球の現状を現したデータマップを手がかりに、地球のこと、未来のことを、私なりに考えてみようと思う。


地球データマップ 汚染される惑星




人類はこれまで、自然界に沢山の有害物質をまき散らし、多くのいのちを脅かしてきてきました。 今、地球規模の環境汚染が進んでいるのです。


新聞やテレビでは、環境汚染が深刻だ、という話をよく聞く。
でも私にはあまりぴんとこない。
ちょっと足を延ばせば、まだまだ自然はあるし、空気も水もそんなに汚いとは思えない。
地球はとっても大きいから多少汚れてもたいしたことはない。
なんとなくそう思っていた。

母なる惑星、地球。
人間は今やこの星全体を汚染してだいなしにしかねない存在になっています。
そのことを世界に印象付けた大惨事がありました。

1986年4月26日、当時のソビエト連邦のチェルノブイリ原子力発電所が大爆発しました。(チェルノブイリ原発事故) 原子炉が吹き飛び、広島に落とされた原爆の500倍ともいわれるセシウムなどの放射性物質がばらまかれました。 事故から数年後、周辺の地域では放射能にさらされた人たちにさまざまな症状が現れ始めました。

母なる惑星、地球
 

子どもたちの喉にできた癌。 また、先天性の異常のある新生児も現れました。 今も多くの人たちが事故の苦しみを背負っています。

チェルノブイリからの放射性物質は、気流に乗って、ヨーロッパ、そして北半球全体へと広がっていきました。 日本でも雨水から高い値の放射能を検出。まさに、地球規模の放射能汚染でした。

ヨーロッパでの汚染の状況を示したデータマップです。

最初、放射能を帯びた雲は気流で北に運ばれました。 そのため、遠く離れた北欧諸国が高濃度の放射性物質に汚染されたのです。

スウェーデン北部のラップランド地方。 チェルノブイリから1500キロも離れたここにも強い放射能を帯びた雨が降り、大地を汚染しました。 この辺りには、昔から先住民族がトナカイを放牧してくらしてきました。 自然と調和した彼らのくらしは、突然の放射能汚染で、大きく揺さぶられたのです。

まず、放射能を帯びた雨は、苔に吸収されました。 それをトナカイが食べ、体内に多量の放射性物質が蓄積されたのです。

事故の後も汚染されたトナカイの肉を食べ続けていた住民の体からは、 15000ベクレルの放射性物質セシウムの値が検出されました。これは日本人の500倍の値です。

チェルノブイリ事故2週間後の放射能汚染(土壌中セシウム137)

チェルノブイリ事故2週間後の放射能汚染(土壌中セシウム137)

 

生態系をめぐりめぐって蓄積された放射能。遠く離れた人々もその被害を受けたのです。

事故を起こした原子炉はコンクリートで封印されました。しかし、20年後の今も、強い放射能を発し続けています。



科学技術の粋を集めた原子力発電所。
そのたった一度の事故で、広い地域が汚染され、今も苦しむ人たちがいるなんて。
科学の進歩は、本当に人間を幸せにしたんだろうか。


20世紀。
人類は科学技術の進歩によって、近代的で快適なくらしを手に入れました。 石油を燃やして走る自動車。 夢のエネルギーともて囃された原子力発電。 そして、化学工業の発達により、自然界にない多くの化学物質が生み出され、 プラスチックや洗剤、農薬などが開発されました。 しかしやがて、人類の生み出した化学物質が深刻な問題を引き起こします。

その代表が1950年代に熊本県で発生した水俣病です。 まず猫に奇病がみられ、続いて人間にも現れました。 しかし、原因は長い間なぞでした。 やがて、化学肥料の工場の排水に含まれる有機水銀が原因だと判明します。 人びとは、汚染された魚を食べて発病したのです。 原因究明の遅れから、被害は拡大しました。

その後も、人類はさまざまな化学物質を生み出し、地球規模の汚染が広がりました。 その兆候が現れたのが、アメリカとカナダにまたがる五大湖。 周辺の大都市からの排水が流れ込む湖です。

1980年代、異変はここの鳥たちに現れました。 まず、以前に比べてふ化しないしない卵が増えました。 さらに、口ばしなどに奇形のある雛が沢山みかけられるようになりました。 ふ化しなかった卵や奇形のある鳥などが詳しく分析されました。

その結果、化学物質汚染の実態が浮かび上がってきたのです。 奇形のある鳥から、PCB(ポリ塩化ビフェニール)という人工の化学物質が高い濃度で検出されました。

PCBは、変圧器などの電気部品や、塗料などに広く使われました。 しかし、内臓や皮膚などに障害を起こすことがわかり、各国で製造が禁止されました。 それまでに世界で作られたPCBは、およそ120万トン。 分解されにくいため、捨てられたものがそのまま自然界に残ったのです。

PCB濃度
 

更に、PCBなどの化学物質は、生物の体内で環境ホルモンとして働き、 体の機能を狂わせることもわかってきました。

ホルモンとは、生物の体で必要に応じて作られる物質です。 ホルモンが細胞の中のレセプターという部分にくっつくと、 遺伝子が働き、生殖器の発育などに必要なたんぱく質が作られます。 PCBなどの環境ホルモンは、体内でホルモンと同じように作用して、 生殖などの働きを狂わせてしまうのです。

ワニなど、野生動物の生殖器に異常が見つかり、 繁殖ができなくなるのではないかと心配されています。

環境ホルモン
 

PCBの汚染は、地球全体にどのくらい広がっているのか。イルカでの調査が行われました。

各地の海でのイルカの体内のPCB濃度のデータマップです。
南極から日本の近海まで各地のイルカから高い濃度で検出されています。 主に先進国で使われたPCBが、地球全体に広がっていました。

どのようにしてイルカの体に溜まっていったのでしょうか。

海に溶け込んだPCBは、まず小さなプランクトンに取り込まれます。 そのプランクトンを小魚が食べ、その体内にPCBが溜まっていきます。 更に、イルカや大きな魚が小魚を食べます。 すると、PCBは元の何万倍にも濃縮されて体内に蓄えられます。 これが生物濃縮です。

各地の海でのイルカの体内のPCB濃度のデータマップ
 

自然界の生きものは、食べたり食べられたりする食物連鎖の関係にあります。 その頂点にいるイルカなどの大型動物ほど、生物濃縮によって汚染が酷くなるのです。

現在私たちが食べているカツオなど大きな魚からも、 わずかながらPCBは見つかっています。PCBは、今も生態系をめぐっているのです。

自然界の生きものは食物連鎖の関係にある
 


私たちヒトも、やはり食物連鎖の頂点にいる。
大丈夫なんだろうか。
心配になった私は、ある研究室(NPO法人次世代環境健康学センター、次世代環境健康学プロジェクト)を訪ねることにした。
千葉大学 森千里教授は、一般の人の血液中のPCBの濃度を調べている。

森先生によると、日本人が好きな魚の脂身などにPCBは溜まりやすく、
そこから知らないうちに取り込んでいる可能性が高いのだという。

私自身の中にもPCBが入ってきている可能性はありますか?

千葉大学 森千里教授
今までいろいろ調査をさせていただいてます。 200名以上調査をするんですが、 全員例外なくPCBとかが出てきます。 今、非常に大きな問題と考えられているのは、 いろんな化学物質、これはPCB以外も含めて沢山の化学物質が皆さんの中に入っています。 この化学物質が複合的に入って複合汚染ということで。 それ自身が皆さんの健康に何か悪さをしてるんじゃないか、ということが懸念されています。



化学物質を私たちは体内に取り入れないように、
何か気をつけるべきことがありますか?

千葉大学 森千里教授
大きく分けて2つのことがあります。
1つは、個人のレベルで食生活、特にこの蓄積性の高いものは食べ物から入りますんで、 なるべくバランスよく食べる。魚を食べるにしても、大きい魚と小さい魚とかをバランスよく食べる。
2番目は、社会全体にこの化学物質が、皆さん前に沢山あります。 そのことをまず理解して、社会全体の化学物質の量を少しでも下げるようにしましょう、 という努力が必要と思います。




考えてみれば、私の身の回りにはいろいろな化学物質がある。
殺虫剤や合成洗剤、漂白剤、お風呂で使うシャンプーやリンス。
キッチンでは、食器を洗う中性洗剤。
加工食品には、いろんな添加物が使われているし、
野菜にもきっと農薬が使われているだろう。
そうした化学物質の多くは、もちろん特に問題のないものだろう。
でももし有害なものがあって、いつの間にか体に取り込まれていたら、
どれがどの程度有害なのか、個人ではなかなかわからない。
化学物質とどうつきあうのかは、やはり社会全体で考えていかなければ。


現在、世界で使われている化学物質はおよそ10万種。 それら一つひとつがどんな影響を及ぼすのか、 完全に確かめるのは難しく、PCBのように後からその危険がわかる場合も少なくないのです。



とある国で新しい殺虫剤が売り出されました。

「さぁさぁ、新開発の虫スッキリです」
「こいつをシューッとまけば、虫はイチコロ、臭いもスッキリ」

新開発の虫スッキリです
 

しかし、この虫スッキリ。
使った人たちの間で、体調を崩す人が出てきました。
でも、因果関係はなかなか分かりませんでした。

体調を崩す人が出てきました
 

「あのー、なんか頭痛がするんですけど!」

なんか頭痛がするんですけど
 

「これって体に害とかないんですか!」

「勿論、安全です。ちゃんと喚起して使ってますかぁ?
頭痛なんて、気のせい気のせい」

「そうかなぁ~」

これって体に害とかないんですか
 

「大体、有害だというなら、きちっと証拠を見せて欲しいですね!」

きちっと証拠を見せて欲しいですね
 

「証拠?!」
「そんなこと言われても・・・・・」

そんなこと言われても
 

「有害だと証明できないなら、売っても問題ないでしょ!」
「さぁ、どいてどいて!」
「商売!商売!」

売っても問題ないでしょ
 

10年後、
専門家の研究でやっと虫スッキリの人体への有害性が証明されました。

人体への有害性が証明されました
 

その頃には、沢山の人が体を壊し、
そして、メーカーは次の製品を売り出していました。

メーカーは次の製品を売り出していました
 

「さぁ、さぁ、新開発の虫サッパリです~」

新開発の虫サッパリです
 

こいつぁ~効きますよ~~

恐ろしい話です
 


特に有害な化学物質を地球上からなくしていくための国際条約(残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約)が、 2001年に採択され、現在100カ国余りが加わっています。 条約ではPCBなど12の物質について、製造販売の禁止や処分の義務などが決められました。

条約の対象物質
PCB、DDT、クロルデン、ダイオキシン類(PCDDs,PCDFs)、 アルドリン、マイレックス、エンドリン、ヘプタクロル、ディルドリン、トキサフェン、ヘキサクロロベンゼン

しかし、この12種以外に安全性の疑わしい化学物質がまだまだ沢山あります。 それらについては、被害が出てから対策をするのでは遅すぎます。 そこで予防原則という考え方が注目されています。 危険性が疑われた段階で規制をすることが重要なのです。





汚染というのは、有害物質が自然界にばらまかれて広がっていくこと。
一度、地球全体に広がると知らないうちに生きものの体へと入り込んでいく。
人間は、便利さを求めて自然界にない沢山の物質を作り出してきた。
そうした物質を、うまくコントロールするしくみを皆で考えなくては。
地球上のいのちは、すべてつながっているのだから。

 

03 July 2008
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