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持続可能な国づくりのために
ブータン新憲法に学ぶ




ブータン王国は、本年(2008年)7月18日金曜日、ジグメ・ケサル・ナムギャル・ワンチュク国王(King Jigme Khesar Namagyel)の新憲法への署名により、1907年以降の国王を中心とする絶対君主制から正式に民主主義立憲君主国となった。

制定された新憲法は、仏教国家としての伝統を色濃く残しながらも、概して近代的な民主国家を志向する内容となっており、文化や環境の保護を謳った条項(第4条、第5条)や、国民総幸福(GNH(Gross National Happiness))の追求を実現するための諸条件を推進するよう政府に求める(第9条)など、ブータンの独自性がうかがえる。

以下に、WARATTE的視点でブータン新憲法の特徴箇所を列挙する。



第3条 精神的遺産


第1節 仏教は、他者との間における平和、非暴力、慈悲及び寛容を奨励する、ブータンの精神的遺産である。
第2節 ブータン王は、ブータンにおけるすべての宗教の保護者である。
第3節 国の精神的遺産を奨励するとともに、宗教をブータンの政治から分離しておくことは、宗教組織及び聖職者の責任である。宗教組織および聖職者は政治に関与してはならない。
第4節 ブータン王は、5名の仏教博士(Lopon)の推薦により、Druk-luに従って叙任された学識者で尊敬されており、精神的指導者としての9つの資質をもちked-dzogの位に達した僧侶を大僧正(Je Khenpo)として任命する。
第5節 大僧正閣下は、Dratshang Lhentshog (僧侶委員会) の推薦により精神的指導者としての9つの資質をもちked-dzogの位に達した5名の僧侶を、5名の仏教博士 (Five Lopons) として任命する。
第6節 Dratshang Lhentshogの構成員は以下のとおりである。
  • チェアマン:大僧正(Je Khenpo);
  • Zhung Dratshang(中央僧院)の5名の仏教博士(Five Lopons);
  • Dratshang Lhentshog(中央僧院)の秘書(公務員)
第7節 Zhung Dratshang  (中央僧院) およびRabdeys (県僧院) は、国より適切な金額の資金を受け取る。


第4条 文化


第1節 国は、社会と国民の文化的生活を豊かにするため、遺跡、芸術的または歴史的な場所および対象物、Dzongs(要塞)、Lhakhangs(寺院)、Goendeys(僧侶コミュニティ)、Ten-sum(像、経典、仏舎利塔から成る三種の神器)、Nyes(巡礼地)、言語、文学、音楽、視覚芸術、宗教を含む国の文化的遺産の維持、保護、奨励に努める。
第2節 国は、文化を進歩的動力(evolving dynamic force) として認め、進歩的社会として持続可能な伝統的な価値及び制度の継続的発展の強化と促進に努力する。
第3節 国は、地方の芸術、慣習、知識、文化を保護し、それらに対する調査を奨励する。
第4節 議会は、ブータン社会の文化的豊かさの根源を促進させる上で必要と思われる法律を制定することができる。


第5条 環境


第1節 すべてのブータン人は、現在及び将来の世代の利益に資するための、王国における自然資源及び環境の受託者であり、また、自然環境の保護、ブータンの豊かな生物多様性の維持に寄与し、並びに音響的、視覚的及び物理的な汚染を含むあらゆる態様による自然環境劣化を、環境にとって親和的な実践及び政策の採用と支援を通して防止することは、すべての国民の基本的義務である。
第2節 王国政府は、以下のことをなさなければならない。
  • 原初の環境に対する保護、維持及び改善、並びに国内における生物多様性の保護
  • 汚染及び自然環境劣化の防止
  • 生態学的に均衡のとれた持続可能な開発の保障、並びに正当な経済開発及び社会開発の奨励
  • 安全で健康的な環境の保障
第3節 政府は、国内の自然資源を維持し、生態系退化を防止するために、ブータン全国土の60パーセントを最小限として、常に森林に覆われている状態が維持されていることを保障する。
第4節 議会は、自然資源の持続可能な使用を保障し、世代間の公平を維持し、生物学的資源に対して国家の主権的権利を再確認するために、環境法規を制定することができる。
第5節 議会は、国土のいかなる一部についても、これを国立公園、野生生物保護区、自然保護区、森林保全区、生物圏保護区、重要流域及びその他保護に値する分類の地域として、法律により宣言することができる。


第9条 国の政策の原理


第9条は、ブータンの国の政策の原理について定めているが、この条項には社会権的諸規定が多く含まれている。

本状で注目すべきは、GNHの追及や、仏教的精神等を根源とする良質にして慈悲深い社会の創造など、ブータン独自の理念や価値観を明示している点である。

GNHとは、経済発展は環境保全や文化的独自性維持との調和がとれたものであるべきとする概念であり、ブータンの国是と言うべき理念となっている。

ここでは、各条項の説明は割愛する。 尚、GNHについては幸せの経済学・GNPからGNHへを参照して下さい。



第26条 王国人事委員会


第1節 王国人事委員会は、公務員の人事について、その独立と政治的な中立を促進し、保障する機関とされ、効率的に、透明性を持ち、責任の所在を明らかにする方法でその責務を遂行する。
第2節 王国人事委員会委員長及び4名の委員は、大臣評議会議長、最高裁判所長官、国民議会議長、国家評議会議長及び反対党党首が共同で推薦した、委員会の実績を向上させ得る資格および経験を有する卓越した人物の名簿から、ブータン国王により任命される。
第3節 委員長及び委員の任期は、5年又は65歳に達するまでのいずれか早い時期とされる。
第4節 委員会は、政治および政府の各種制度を実施するにあたり、公務員が良い統治および社会正義を推進するための高水準の倫理および完全性により、その専門的業務を確実に提供するように努力する。
第5節 王国人事委員会は、功績、生産性、公平性を奨励するために、公務員人事(募集、任命、配属、教育、転勤、昇進)に関する統一規則が全公務員により確実に実施されることを保証する。
第6節 王国人事委員会は、行政決定(王国人事委員会によるものも含む) に対する公務員の異議申立ての聴取に関し、全公務員が第21条第16節で規定される行政裁判委員会(Administrative Tribunal)を通し司法に訴えることができるように保証する。
第7節 行政活動により不利な影響を受けた公務員は、王国人事委員会に訴える権利を持つ。
第8節 王国人事委員会は、定期的に会合を行い、政府の中央人事局として機能する常置事務局の支援を受ける。
第9節 委員会は、その政策および業績に関する年度報告を国王と大臣評議会議長に提出する。
第10節 王国人事委員会は公務員法に基づいて機能する。


第27条 反不腐敗委員会


第1節 王国内の腐敗を防止するために必要な措置をとる独立機関で、委員長および2名の委員で構成される反腐敗委員会を設置する。
第2節 反腐敗委員会の委員長及び委員は、大臣評議会議長、最高裁判所長官、国民議会議長、国家評議会議長及び反対党党首が共同で推薦する者の名簿から、ブータン国王により任命される。
第3節 委員長及び委員の任期は、5年又は65歳に達するまでのいずれかの早い時期とされる。
第4節 委員会は、その政策および業績に関する年度報告を国王、大臣評議会議長及び議会に提出する。
第5節 委員会の調査に基づく個人、政党又は組織に対する告発は、司法長官府により裁判所に告発される。
第6節 反腐敗委員会は、反腐敗法に基づき機能する。

 

20 Aug. 2008
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