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故郷はよみがえるのか  検証・過疎対策の大転換


編集:2009.01.08
掲載:2009.01.13



故郷はよみがえるのか 新しい過疎対策

高齢化と人口減少。 日本が直面している大きな課題ですけども、既に全国各地7千9百の集落では、集落人口の半分以上が65歳以上です。 このうち5分の1が将来消滅する恐れがあるという結果が国の最新調査で出ています。 人口が乏しくなって活力が乏しくなった地域をどうやって活性化するのか。 そのしくみとして今注目を集めているのが今年(2009年)3月から本格的に動き出す集落支援員。 専門の相談員を置くという過疎対策です。

過疎対策といえば昭和45年に過疎法が出来て以来主に公共事業中心で、道路や施設などが作られてきました。 これまで75兆円以上が投じられてきましたけども過疎を食い止めることは出来ず、むしろ加速しています。

そこで国は大きく政策転換をし、ハード、箱物から人による支援へと転換することに決めたのです。 この集落支援員制度といいますのは、市町村が集落支援員を任命します。 そして集落支援員は1軒1軒集落の家を訪ねて、交通手段の確保など住民が困っていること、 集落が抱えている課題や要望などを聞き、対策を考えて、そして市町村と連携しながら実現を目指すとというものです。 この新たな制度が目指そうとしているもの。この制度のモデルケースとなった人口90人の新潟県の集落の実態です。



過疎の集落に若者が活気を

新潟県上越市の山間。 集落支援員制度のモデルの1つとなったのが、中ノ俣集落です。 人口90人。人口の半数以上が65歳以上のいわいる限界集落です。 この日は住民たちが始めた祭りです。 直売の野菜や手打ちそばが評判で、遠くの町からも大勢の人がやってきます。

実はこの祭り、数年前まで存続が危ぶまれていました。 住民のほとんどが高齢者となり、手間隙かかる祭りの運営が大きな負担になっていたのです。

それが変わったのが7年前。 この地域に8人の若者たちが移り住んできたことがきっかけでした。 若者たちとの交流で、お年寄りたちに活気が蘇ってきたのです。

若者たちは、もともと森林を守るNPO法人(NPO法人かみえちご山里ファン倶楽部)のメンバーとしてこの集落にやって来ました。 住民とも交流が生まれたのは偶然でした。

NPO法人が子供たちに開いた環境学習。 わら細工や米つくりなどの先生としてお年寄りたちを招いたのです。 交流が深まる中で、若者たちは集落が深刻な過疎問題にさらされていることを知りました。

普段から若者たちは1人暮らしのお年寄りに声を掛け、買い物などを手伝います。 他にも道路の草刈りや川の清掃など、集落の共同作業に参加するようになりました。

しかし、若者が支援を続けていくには壁がありました。 収入の問題です。 野菜を通信販売したり環境学習の委託費を上越市から受け取っていますが、生活していくのが精一杯という状況です。

こうした若者たちが地域で活動していくのに必要な費用を国が負担すれば、この集落の事例を全国に広げられるのではないか。

これが今回の集落支援員制度の発想の一つとなったのです。

若者たちの活動は、住民たちの心にも変化をもたらしています。 自分たちの集落の良さを再認識するようになりました。

やま芋が宝物。 伝統的な暮らしが宝物。 それに気づくことで住民たちの気持ちも前向きになっています。

若者たちのささやかな手助けがきっかけとなって、限界集落に少しずつ笑顔が戻っています。



人による支援 過疎を救えるか

山口県立大学大学院教授 小川全夫さん
「 高齢者にしてみれば、日ごろ自分たちがやっている事が どういう意味をもっているかよくわからないんですね。 ところが、目の前に若い人という鏡みたいな存在が出てくると、 その姿の中に自分がやってることの意味が大発見できるということで、 普通なら学校の先生というのは相当勉強しないけないんだろうと思うのに、 わらを編んだりするという事が、先生として扱ってもらえるということで、 ものすごく元気をもらえるんですね。 それが笑顔の原点だろうと思います。 」

「 また、集落支援員の方もそういうかたちで自分の存在というのが 非常に大きく見えると思うんです。 都会の中に居れば歯車の1つぐらいの扱いしかされないような今の時代ですけど、 それがこういう数の少ない集落に行ってみると、 自分は1つ1つ疑問を発したり、何か手伝いをすることによって、 こんなに人としての扱いをしてもらう反応があるのか、ということをみると、 自分の存在の大きさに驚いてしまうという、そういうなんともいえない人間関係 が偲ばれますね。 」

「 平成の大合併というのがありまして、 どうしても行政は効率を求めて、 どちらかというと今まで手を広げてたことを引いていくんです。 そうすると住民の方も、これまでは何か問題があると 行政におんぶに抱っこに添い寝というかたちをとってたんですけども、 それが出来なくなる、隙間が開く、その間を埋めるようにして 集落支援員たちの活動が始まったというところでしょうね。 」

「 これまで、EUの方ではそういう動きはあるんですけれども、 農業を支援すれば農村が守られるとか、 道路を整備すれば農村が守られるとか、 そういうハード整備でやってきたんですけど、 どうもそうではうまくいかないということは、 ヨーロッパでも気がつかれて、いろいろと 農村開発をしていくためには、人を支援しなければならない という方向になってるんですね。 日本は少しヨーロッパよりは遅れていますけれど、 ようやく国の方針として人を支援することに移ったんだろうと思います。 」

「 過疎対策で象徴的なんですけれども、 都会に引けをとらないような校舎を整備するということで、 建物を建ててりっぱなものは残ってるんですけども、 実際そこに行くと生徒がいない。 そういうような状態で。 まさに人の居ない建物だけが残ったという。 これじゃ本当の意味での過疎対策になってなかったということでしょうね。 」



"人"による過疎対策 課題と可能性

島根県中部(雲南市波多地区)の山間の集落です。 去年(2008年)の夏、空き家になっていた民家に集落の支援員が移り住みました。

島根県は、県の面積の8割は過疎地域。 その対策が急がれていました。 支援員の活動を始めて2カ月。 支援員はこの仕事の難しさに直面しています。

今、支援員が取り組んでいるのは集落が抱える課題を把握するための聞き取り調査です。

支援員は、広大な山間地に点在する16の集落、合計172軒を受け持っています。 聞き取り調査は2カ月経っても終わっていません。 最終的な支援員の仕事は、住民のニーズを集約して解決策を探ることです。

契約期間は2年間です。その間に解決の糸口がみつかるのか不安を抱えています。

島根県は2カ月に1度、支援員の研修会を開いています。 支援員が取り組む集落の問題は、農業や医療、交通手段など多岐に渡ります。 様々な分野に精通した専門家に直接相談できる体制づくりを進めているのです。

(島根県浜田市弥栄地区)
支援員の中には既に集落の問題解決へ動き出した人もいます。 聞き取りによってわかったのは、農業を続けたいが助けが必要、というものでした。

この集落に住むおばあさん。 夫を亡くして以来、草刈りが1人で出来なくなり畑は雑草が生い茂るままでした。

そこで、目をつけたのが市内にある大学。 学生たちに農作業を手伝ってもらおうと考えました。 農繁期には2週間に1度の割合で手伝いに来てもらっています。

しかし、無償のボランティアでは長く続けてもらえません。 アルバイト代を工面するため注目したのは、放置されていたゆず畑でした。

傷が多く、そのままでは商品にならなかったゆずの実。 果汁に加工し付加価値を付けて町の料亭に売り込んだのです。 2リットルで5千円。 これで学生たちに一日3千円のアルバイト料を支払うことが出来ました。

しかし、学生による農業支援を長く続けるためにはゆず以外の資金源の確保や学生の数をどう増やすのかなど課題も多く残されています。

集落支援員制度のモデルとなった新潟県上越市の集落です。 若者たちが集落の活性化活動を長続きさせるためこんなアイデアを始めました。

150年前に建てられた子民家を改修して農家民宿を作る計画です。 そこで若者たちは一計を案じました。 最近都会に住む人たちの間で田舎暮らしへの関心が高まり子民家がブームになっています。 そこに目をつけ、子民家改修が体験できるというふれ込みで、全国に参加者を募ったのです。 ねらいは大当たり。 参加費は1回2800円。 これまでに全国から200人が参加しました。 講師は大工や左官の伝統技術を持った住民たち。 集めた参加費は講師代として住民たちにも支払われます。

若者たちが目指すのは事業の収益で次の事業が回り、更に地元住民も潤う活性化のサイクルづくりです。


山口県立大学大学院教授 小川全夫さん
「 ニーズを掘り起こせば後はどういう事業とか支援と結びつける かというマッチングをさせなければいけません。 集落支援員にはそれを求められるんですが、 1人だけではとうていそれが出来ませんので、 これを取り巻くいろいろな関係機関、行政も含めてですが、 後方支援体制というのがきちっと組まなければいけません。 その時には、タテワリ行政の考え方ではなくて、 暮らしてる人からみれば、農業を辞めるか辞めないかという問題は、 自分の老後をどうするかという問題とも絡んでますし、 自分の足の便をどうやって確保するかということとも密接に 繋がってるんですね。 相互に繋がってる全体像について、集落支援員の人がそのニーズに ついてわかったなら、それを横断的に行政と関係機関と 結び付けていくというような、そういうことが必要になります。 そういう後方支援体制が必要でしょうね。 」

「 今、都会の中ではなかなか自分の出番というのがなくて困ってるような若者がいますね。 こういったところで、総合的な企画力の訓練を受けられるチャンス があるとするなら、こういったところへ行ってみたいという人が出てくるのは当然だと思います。 また、そういう人たちのやったことを評価できるようなしくみもいると思います。 」

「 アメリカでは平和部隊のしくみがありますけれど、 (アメリカの平和部隊のボランティア:発展途上国で2年間、英語や技術を教える。そのキャリアは就職時に高く評価される) こういうようなものは、やった人にも自信になりますし、 雇用する側にとっても、そういうことをやった人というのは、 自分たちの会社にとっても役立つ人材だという考え方に なると思うのですが、そういうものとして使われるような 制度になればいいなという感じがします。
(人生のひと時、社会貢献をした自分の実績が認められるような社会) 」

「 国としては今までのようなハード整備だけではなくて、 人に目を向けた支援を出来るようなしかけをつくったんですが、 今は、それが1つの財政のしくみとして見えずらいところがあるんですね。 そのために、自治体としてやりにくいのかもしれません。 このあたりのところがもう少し、自治体としても こういう事に力を入れなきゃならない時代が来たんだということを認識して、積極的に集落支援員制度の活用を 図って頂きたいという感じがします。 」

「 過疎地域というのは決して遅れたところではなくて、これから町で起こること、日本で起こること を先んじて経験しているところですから、 この地域での、こういう活動というものを評価しないと これからの日本の対策というのは講じられないということになるんだろうと思います。 」

 

13 Jan. 2009
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