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地球データマップ
ひろがる格差


2009.01.29



KIKI
地球。 そこには、1千万種ともいわれる生き物と70億近い人びとが暮らしている。 私もそのひとり。 でも、私は、この地球に起きている様々な問題をうまく想像できない。 そういう問題に対して自分が何をすればいいのかもわからないでいる。 地球の現状を表したデータマップを手がかりに、地球のこと、未来のことを私なりに考えてみようと思う。


近年、先進国の中で貧富の格差の拡大が問題となっています。 これは先進国のジニ係数の地図。 ジニ係数とは、所得などの富が国民の間でどのくらい偏っているかを示す数値です。

赤いところは数値が大きく格差が大きい国。一番大きいのは、アメリカです。

KIKI
日本でも貧富の格差が広がってきているそうだ。 それでもアメリカ程ではない。 アメリカの格差はそんなに酷いのだろうか。

先進国のジニ係数の地図
 


ここに1枚のデータマップがあります。 これは、ある街に住む人々の所得の地図。 平均所得が低い地区は 「青」 、高いところは 「赤」 に塗り分けてあります。 みて判るのは、街の中心部には所得の低い人たちが多く住み、高い人たちは周辺地域に暮らしているということです。

ある街に住む人々の所得の地図
 


ここがその地図の街、アメリカ フィラデルフィアです。 地図に現れていた地域格差の実態を見てみましょう。

街の中心から車で30分。 郊外にある住宅地です。 1軒1軒がとても大きい高級住宅が並びます。 この辺りに住む人の年収は、1世帯当たりおよそ2千万円です。

ここで暮らすミラーさん。 仕事は銀行の役員です。 この家の資産価値は2億円です。

アメリカ フィラデルフィアの高級住宅街
 


一方こちらは街の中心部。 目に付くのは壊れかけた建物です。 崩れた壁、割れた窓。 こうした家にも人が住んでいます。 この地域の1世帯当たりの平均年収は120万円。 郊外に暮らす人たちのおよそ20分の1です。 街の中心部なのにどうしてこんな状態になってしまったのでしょう。

アメリカ フィラデルフィアの街の中心部
 


街の中心部で生まれ育ったウィリアム・チャンシーさん。教会の牧師さんです。

「ここには昔、工場が沢山ありました。当時はこんなお昼時には人ごみがすごくて立っていられませんでしたよ。」

ウィリアム・チャンシー
 


かつてのフィラデルフィアは、アメリカ屈指の製造業の拠点でした。 自動車部品や機械、繊維工業。 最盛期には5千を超える工場が建ち並んでいました。

ウィリアム・チャンシーさん
「この街のアメリカンドリーム。それは、まじめに働いて車を買い、マイホームを持つというものでした。」

かつてのフィラデルフィアは、アメリカ屈指の製造業の拠点でした
 


しかし、当時の面影は今は全くありません。 1970年代以降、工場のほとんどが閉鎖や移転に追い込まれたのです。 資本主義経済の下、自由競争をした結果、日本など海外の企業に破れたためでした。

当時街の中心部に住んでいた人の多くは、この時仕事を失いました。

現在のフィラデルフィア
 


このデータマップは、現在の街を失業率で塗り分けた地図。 中心部の失業率は、郊外の2倍以上です。

失業率で塗り分けた地図
 


そしてこちらは大学卒業以上の学歴を持つ人のデータマップ。 高学歴の人たちは、街の郊外に住んでいることが分かります。

大学卒業以上の学歴を持つ人のデータマップ
 


中心部に住む人たちの多くは学歴も低く新しい仕事に就くことも難しい人たち。格差は広がり続けたのです。

ウィリアム・チャンシーさん
「今、ここに住んでいるのは全てを諦めてしまった人ばかりです。希望を失ったのです。」

データマップ title=
 


KIKI
社会の中で格差が広がると人々は夢や希望までも失くしてしまう。 私のいる日本ではどうなんだろう。

これは日本のジニ係数の変化をグラフにしたもの。 ここ20年の間に豊かな人と貧しい人の格差がどんどん広がってきている。

私は日本での格差の実態を知りたいと思い或る人を訪ねた。 高沢幸男さん。
神奈川県でホームレスの支援活動(寿支援者交流会事務局長)をしている。 地域のパトロールやホームレスの相談を受けたりする活動を、もう10年以上も続けてきた。

日本のジニ係数の変化グラフ
 


高沢幸男さん。
「主に、今日本で言われているホームレスって外で生活している人でしょ。 それは、野宿生活者という言い方を僕は普段してます。 野宿生活者と言うと、生活している方、というイメージがあって、 ホームレスという1つの枠じゃなくて、 野宿をしているAさん、Bさんというイメージが出来ていいかな。 言葉を正確に使う意味でそういうふうに話させてもらってます。」

KIKI
野宿しながら生活する人たち。 なぜそういう生活をするようになったか知りたくて、 高沢さんたちのパトロールに同行させてもらった。

野宿者の3分の2は50~60歳の中高年の男性。 中には一度自殺しようとしたが、それでも生きようと決め、頑張っている人もいるのだと高沢さんが言っていた。 正直に言うと、私は今まで野宿者の人たちは恐い人たちだと勝手に思い込んでいた。 高沢さんは一人ひとり名前を呼び、その場に座り込んで友達としゃべるみたいに普通に話をする。



このグラフは日本の製造業で働く人の数です。 わずか12年で500万人分の仕事が無くなっています。 その大きな原因といわれるのが経済のグローバル化です。

グローバル化とは、資本主義経済の3要素である「人」「もの」「カネ」が国境を越えて自由に行き来することをいいます。 なぜ、グローバル化が進むと失業者が増えるのでしょうか。

日本の製造業で働く人の数
 


或るストーリー

ここにビデオテープを作っている或る会社があります。

社長 「ここ一年あまり我が社の売上は低下の一途をたどっておる。なんとかせねば会社そのものが危ない。」

工場長 「売上低下の理由は明白です。東南アジアから輸入されるテープが安く出回り、品質もけして悪くないのです。」

社長 「うちの製品も値下げせねば売れないか。」

工場長 「ダメです。社長。これ以上値下げしたらとても利益が出ません。」

社長 「う~ん。よし!決めた! 人件費を安くあげるのが一番てっとりばやいからな。」

外国の製品と競争するために、この会社は人件費が安く済む中国へと工場を移転することにしました。 中国人の給料は、平均で日本人の10分の1以下。 たとえ輸送費をかけたとしても、安く製品を作ることができるのです。

工場長 「この工場の閉鎖が決まりました。皆さんにはもう働いてもらう必要がなくなりました。」

社員たち 「え~、うっそ!まじかよ。まってくれよ。」

工場が海外に移転するとそれまで働いていた人たちは失業します。グローバル化の影響で仕事が無くなったのです。

 

高沢幸男さん。
「そうしないと日本という国はやっていけないわけですよ。国際競争力という問題としては。 だけど、そのために犠牲になる人たちがいる。 ということをきちっと受け止めるべきだと思います。」

 

KIKI
私たちが暮らす資本主義の社会。 経済がグローバル化したことで企業はより厳しい競争にさらされている。 そのために企業は工場を海外に移し、それまで働いていた人を解雇する。 失業だ。 この失業が人々の間の格差を拡大させているのだ。 だったらこの失業をなんとかする方法はないのだろうか。



これは先進各国の失業対策費を示したデータマップ。 失業対策費の大きさに応じて色分けしてあります。 アメリカ、日本などは数値が低いクリーム色。 一方、ヨーロッパには緑色の失業対策に力を入れている国がいくつもあります。 そんな国の1つ、スウェーデンをみてみましょう。

失業率ゼロを目指す国、スウェーデン。 国や自治体が失業者一人ひとりに丁寧な対応を行っています。 人口8万人の街、カールスタート。 鉄鋼業やIT産業などで発展してきましたが、近年海外との競争に破れ企業の撤退や縮小が相次いでいます。 失業した人が次の仕事を求めてやって来る所、スコーグハル職業安定所です。 ここでは、一人ひとりが個室に招かれ担当者がマン・トゥ・マンで就職の相談に乗ってくれます。

一人の失業者がやって来ました。 ヨリエン・ヴルツさんです。 大手コンピューターメーカーに勤めていましたが、1年前会社が撤退し解雇されました。 ヴルツさんは、今コンピューターの専門学校に通っています。 専門技術を磨き就職を有利にしようという考えです。 期間は8週間で授業料は100万円。 費用は全額自治体の職業安定所などが負担してくれます。

ヨリエン・ヴルツさん
「人生は山あり谷ありです。苦しい時こそ私たちはこの国の社会保障制度に守られていることを実感します。

先進各国の失業対策費を示したデータマップ
 


スウェーデンでは今から10年程前、不景気で失業率が10%を超えたことがあります。 その時、失業者の再教育に予算を集中しようと国民が合意しました。 財源は高額所得者への増税です。 税金が高い分失業者対策は徹底的にやる。 その結果失業者の数を以前よりも減らすことができました。 国民全員が働ける社会こそが国の経済にプラスになるとスウェーデンでは考えられているのです。 スウェーデンは今、数ある先進国の中で最も格差の少ない国になっています。

スウェーデンの失業率の変化
 


KIKI
スウェーデンに比べて日本は、税金も安いけど失業対策費の少ない。 失業者を助ける制度は不十分だ。 今、仕事がある人もいつか失業するかもしれない。 そんな時日本では自分の力で立ち上がらなければならないのだ。

高沢さんが或る場所に案内してくれた。 ここは (ポルト湘南茅ヶ崎) 高沢さんが仲間と一緒にお金を集めて始めた施設。 野宿者の社会復帰を手助けするのが狙いだ。

住所も持たない野宿者が野宿を止めて一時的にこの施設で共同生活をする。 その間に病気の人は体を治し仕事を探すなど、自分で生活してゆく足がかりにしてもらおうというのだ。 ここでは料理の手伝いも当番制。 社会復帰という希望を持ったここの人たちは、かつての辛い生活から明るさを取り戻していた。

時に人間の尊厳まで奪ってしまうのが格差だ。 高沢さんがしているような市民同士の支えあいは、とても大切なことだと私は思う。 でも、それに頼ってばかりで本当にいいのだろうか。 少し疑問に思った。

 

29 Jan. 2009
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