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情報化時代に於ける市民の責任


編集:2010.10.10
掲載:2010.10.12



最近起きた幾つかの出来事、そこには共通した一つの流れがありました。

11月4日、月曜日。民主党小沢元代表の資金管理団体を巡る事件で、検察審査会は二度目となる起訴議決を公表。小沢元代表は強制的に起訴されることになりました。

くじで選ばれた11人の審査員による今回の決定。一般市民の判断で政治家が強制起訴される史上初めてのケースとなったのです。

また、同じ月曜。有罪判決を受けた元タレントの押尾学被告が保釈。芸能人の犯罪を、一般市民からなる裁判員が初めて審理したことで世間の関心を集めました。

市民参加市民感覚で、物事が決まり注目を集めるケースは、司法の場に限りません。

名古屋市では、住民の署名によって、市民税減税などに反対する議会の解散を求める住民投票が早ければ年末にも行われる見通しです。

また、鹿児島県阿久根市でも多くの住民の署名が集った結果、「強引な市制運営」と批判を浴びてきた竹原市長のリコールを問う住民投票が行われることになりました。

こうした例にみられるように、近年地方自治の現場でも一般市民が直接声を上げるケースが目立っています。

しかし、市民感覚は時として危うい方向に流れる危険性があります。

例えば、市民が参加し平等に意見を戦わす現代の民主主義に通じる政治のしくみが作られた古代ギリシャ。紀元前5世紀、嘘や噂を流して民衆を扇動する弁舌巧みなデマゴーグと呼ばれる政治家が現れ、内戦が激化。古代ギリシャ衰退の一因となったといわれています。

以後も、社会のムードや誰かの言葉に踊らされ、悲惨な事態を招いた例はナチスドイツなど数多くの例がみられます。そして、日本でも日露戦争直後、講和条約の内容への不満から民衆が暴動に至った日比谷焼き討ち事件流言飛語によって、多くの朝鮮人が殺害された関東大震災の虐殺。軍部の先導によって悲惨な戦争へと進んだ第二次世界大戦。

そして、現代でも市民感情の危うさ移ろい易さを垣間見せる例。政権交代以後の内閣支持率です。期待を背景に高い数字を記録したかと思うと一機に急降下。再びアップしたかと思うと、またも大幅下落。こうした変化の大きさは、人々の心の移り変わりの激しさを感じます。

その一方で、急激に進む政治・行政の場での市民参加。背景には、一般市民にも様々な情報は容易に手に入る「情報化社会の到来がある」と専門家は指摘します。

膨大な情報に接することで、市民は、否が応でも物事を他人事ではなく自分の問題として考えるようになったと指摘する有識者。しかし、それは同時に、私たち一人ひとりに大きな課題を課することになったといいます。

  1. 情報をきちんと選別して、自分の目で情報をとらえることが必要
  2. 個人の自立がないと、これからの時代は生きられない

市民参加が進んだ今は、氾濫する情報の中から正しい判断を下せる個人の自立が求められる時代だというのです。

参加型の民主主義社会をどう支えるか。

  1. 参加に値するような市民レベルに私たち自身が高まっていかなければいけない。そういった時に、例えば「一人、一つのNPO」的に、市民が個別ばらばらでもって自分で情報を得てるのではなくて、社会的に価値のあるテーマの社会的非営利の団体に参加しながら物事を考えていくという考え。今、日本でもNPOが増えてきて、4万を超したといわれているが、アメリカでは120万団体、しかも1千万人を超す人がNPOでメシを食ってるといわれている。やはり、民主主義を支えるためには参加して、いろんな人たちと意見交換して、自分も負担を共有しながら参加していく。「何も負担しないけど俺にも言わせろ」というのは民主主義には成り立たない。
  2. もう一つとても重要なのはメディアの責任。メディアというものが、本当に今考えるべきことを、考えるべきことの情報を提供しているのか、と絶えず問い返さなければいけない。問題を誇張したり、センセーショナルに駆り立てたりするだけではダメ。ある固定観念の中だけで選択肢を迫ってるような風潮が多く起こっている。新しい時代の動きだとか、世界の動きだとかを捉えて、的確に提供するという視点をメディアが持たないと、参加型市民社会は成功しない。

 

Posted 12 Oct. 2010
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