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最新情報:米国、大幅なカーボン削減へ
U.S. Headed for Massive Decline in Carbon Emissions

By Lester R. Brown, Earth Policy Institute
News Source

2009.10.14

何年もの間、二酸化炭素排出削減は不可能ではないが難しいと言われてきた。本当に難しいのだろうか。2007年以降この2年間で炭素の排出量は9%減少した。経済不況のためもあるだろうが、省エネ効果や天然ガス、風力、太陽光、地熱発電といった再生可能エネルギー源への転換によるものともいえるだろう。

米国では、炭素排出の時代は終わり、炭素を減らす新しい時代に入っている。これまで非常に難しいと考えられていたCO2削減の課題は、いま、目まぐるしいスピードで変化している。

1世紀以上に渡り石油と石炭の利用が伸びていた米国にとって、2007年以降の減少は目に見張るものがある。2008年、石油利用は5%、石炭利用は1%の減少を示し、炭素排出は3%減少した。米国エネルギー省(DOE)のデータに基く2009年1~9月の予想は、石油利用が更に5%減少、石炭は最大10%の減少である。化石燃料の燃焼による炭素排出はこの2年間で9%もダウンしている。

さらなる削減に向け、自動車の燃費基準や電化製品の省エネ基準の強化、風力・太陽光・地熱発電の大規模開発支援の財政援助など、政策面からもさまざまな措置がとられている。

国家、州、都市、そして企業、公益事業、大学などあらゆるレベルで化石燃料への依存を減らす取組みがなされており、環境問題に興味を持つ人やコスト意識のある人達は、エネルギーの使用を減らすべく自らのライフスタイルを変えつつある。

2009年10月現在で50万のビルと60万台の自動車を有するとされる米国最大のエネルギー消費者である米国連邦政府も自らの炭素削減目標を掲げている。その目標には、2020年までに自動車による燃料使用を30%削減する、2015年までにゴミの50%以上をリサイクルできるようにする、環境に配慮した製品を購入するといった内容が盛りこまれている。

電力使用の減少は、一部には省エネの効果がアップしたことがあげられる。さらに各州間で広範囲な省エネ施策を行えば更なる減少に繋がる。非営利の環境研究機関であるロッキー・マウンテン研究所(Rocky Mountain Institute)は、国内で省エネ率の低い40州が、省エネ率の高い10州のレベルに到達すれば、米国全体の電力使用を1/3にできると見積もっている。これは、米国にある617の石炭火力発電所のうち62%を閉鎖した場合に匹敵する。

この可能性を具現化するためのさまざまな措置がとられはじめている。過去数年にわたり、米国エネルギー省は議会を既に通過した電化製品の省エネ関連法案を実施するための規則を策定できずにいた。しかしオバマ大統領が流れを変えた。彼は就任後わずか数日のうちに、この大きな可能性を秘めた省エネ効果を実現するための規則を早急に策定するようエネルギー省に指示した。

現在進行中の省エネ革命は照明から輸送まで全ての形態を変えるだろう。例えば、照明は白熱電球から新しい発光ダイオード(LED)に切り替わり、人感センサー機能との組み合わせで90%以上の省エネを実現できるようになる。ロサンゼルスでは現在14万個の街灯をLED照明に交換しており、これにより年間1000万ドルの電気代・保守代を削減することになる。

<石炭火力発電所への逆風>
カーボン削減の動きは多方面でその勢いを増している。環境保護団体で国内の石炭火力発電反対キャンペーンのコーディネーター役のシエラ・クラブ(Sierra Club)は今年7月、2001年以降建設中止となった発電所が100件を突破したと発表した。石炭業界と環境保護団体の間の闘いにより、新しい石炭火力発電所は事実上建設中止となるケースが増えている。 石炭業界では「クリーンコール(クリーンな石炭)」を推進しているが、ユーティリティー(電気やガスの公益事業会社)では石炭を断念し発電所閉鎖の動きが始まっている。11の石炭火力発電所(平均築年数47年)を持つテネシー川流域開発公社(TVA:Tennessee Valley Authority)では、10億ドル相当の公害防止装置を設置するよう裁判所より命令を受けているが、テネシー州Rogersville近くの発電所と、アラバマ州Stevensonにある最も古い発電所8件のうち6件の閉鎖を検討している。

TVAだけではない。12の州で22の石炭火力発電所が風力発電基地(ウィンド・ファーム)、天然ガス発電所、木材チップ発電所などに転換されたり、省エネ施設に改修されたりしている。今後、大気の清浄化と炭素排出削減を求める一般市民からの圧力の高まりとともに、益々多くの石炭火力発電所が閉鎖を余儀なくされるだろう。発電所の炭素排出は原料を石炭から天然ガスに転換することで約半分に、風力・太陽光・地熱発電に転換することでゼロになる。

各州政府は、再生可能エネルギー資源に利用を大々的に支援している。34の州が、今後10年間に電力事業会社の再生可能エネルギーから得る電力のシェア拡大(約20%)を求める再生可能エネルギー・ポートフォリオ標準を導入している。ニューヨーク州では24%、イリノイ州は25%、カリフォルニア州で33%と人口の多い州では目標とする割合の数値が高くなっている。

石炭火力発電所が閉鎖する一方でウィンド・ファームは倍増している。2008年には102のウィンド・ファームが稼動し、発電容量は8400メガワットを超えた。2009年前半に49のウィンド・ファームが完成し、さらに57のウィンド・ファームが建設途中にある。さらに重要なことは、風力プロジェクトで生成される約30万メガワットの電力がグリッド(送電系統)への接続待ちであるということだ。

<太陽熱発電>
米国の太陽電池設置は年間40%の伸びを示している。政府による新たなる奨励策により、家庭やショッピングモールや工場の屋上への太陽電池設置はさらに増えるだろう。また、鏡を利用して集光・発電する大規模太陽熱発電所の建設がカリフォルニア州、アリゾナ州、ネバダ州に計15件ほど予定されている。日没後6時間までの発電を可能にする新しい蓄電技術がその背後でこの急成長を支えていることにも注目したい。

 

<地熱発電>
米国の地熱発電は、何年もの間、サンフランシスコ北部の巨大間欠泉プロジェクト(発電容量850メガワット)に限定されてきたが、目下132の地熱発電所が開発中である。地熱発電も復興期を迎えていると言える。

<自動車社会からの脱皮>
現在、米国人は自動車社会から脱皮しつつある。車から公共輸送機関に移行しているのである。ほとんどの州で、新たな路面電車、地下鉄、高速バス等の公共輸送機関の整備または既存設備の拡張が行われている。

従来、自動車を利用していた人達が公共輸送機関および自転車に移行するため、自動車保有台数はどんどん減少している。2009年の廃棄自動車は1400万台と予想され、この数は新車台数の1000万台よりも400万台多く、年間2%の自動車保有率下落となる。この傾向は今後も続くと見られている。

石油については利用も輸入も減少している。新しい燃料経済性基準により新車の燃費を42%、軽トラックの燃費を25%向上しなければならないため、今後もこの傾向は続くであろう。鉄道で燃焼されるディーゼル燃料の42%は石炭輸送に使われているため、石炭利用の減少に伴いディーゼル燃料も減少することになるだろう。

しかし、最大の燃料効率はプラグイン・ハイブリッドや電気自動車への移行により実現されると考えられる。電気モーターの効率はガソリンエンジンよりも3倍良いだけでなく、風力を燃料とする場合にはガソリンにして1ガロンあたり75セントのコストで車を走らせることができる。 ほとんど全ての大手自動車メーカーでプラグイン・ハイブリッド車や電気自動車の販売が始まるはずだ。

<今後の課題>
新たなるエネルギーの時代の中で、そして新しい政策の下で、炭素排出は減少し続けていくだろう。私達は正しい方向に向かっている。しかし、本格的な取組みはいま始まったばかりであるため、今後どれだけの炭素排出を削減できるかは分からない。壊滅的な気候変動を阻止するため、これから私達がどれだけ迅速に対応できるかが今後の課題である。

 

15 Oct. 2009 posted
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